テストステロン補充療法に関する論文が日本性機能学会賞を受賞しました。

 

テストステロン筋肉注射後の男性ホルモンの経過を血液検査唾液検査とで比較したものです。要約すると次のようになります。
1. 唾液中のテストステロンとDHTは注射翌日に最高値に達した後、ほぼ直線的に低下し、投与11日目以降は投与前値以下に低下する。
2. 血液中の遊離テストステロンおよびDHTも同様の経過をとる。
3. 唾液テストステロンと血液中の遊離テストステロンの間には統計学的に相関関係が認められる。
4. 唾液DHTと血液中のDHTとの間にも統計学的相関関係が認められる。

 

唾液ホルモン検査は、侵襲がなく、検査のために来院する必要がないため、テストステロン注射後の経過観察に有用な検査だということが分かりました。今後、唾液ホルモン検査の重要性が認識されていくと思われます。

 

本論文は、男性ホルモン注射後の唾液中テストステロン濃度と血中濃度とを比較した国内初の論文ですが、唾液DHTに関する結果は世界的にも貴重なデータだと思われます。DHTとは、テストステロンが組織中で変化したもので、男性型脱毛や前立腺肥大の原因になるホルモンです。男性ホルモン補充療法によりDHTが増え過ぎると副作用として問題になります。

 

当院での男性ホルモン補充療法に関する研究が医学に貢献することができ、大変うれしく思います。

 

研究にご協力いただきました被験者の皆様大変ありがとうございました。

 

現在も引き続きテストステロンクリーム投与後の唾液ホルモンの経過について研究中です。研究にご協力いただける方を募集しています。ご協力いただける方は、期間中のクリーム(約1.5ヶ月分)が無料になります。その後も継続して治療を希望される方は,次の1.5ヶ月分が半額になります.また、無料で唾液検査を受けることができますので、その後の治療に役立てることができます。