男性更年期障害とは
最近、若い頃のように元気が出なくなった、疲れやすくなった、集中力がなくなった、やる気が出ない、なんとなく鬱っぽい、イライラしやすいなどと感じられる方はいらっしゃいませんか?
もしかすると、それは男性更年期障害かもしれません。
更年期障害は女性に特有なものと思いがちですが、男性にも更年期障害があるのです。
男女とも40歳を過ぎたころから身体的な衰えが始まり、ホルモンの低下が進んでいきます。女性の場合、閉経を迎えることで女性ホルモンが急に減ってきたことが分かりますが、男性の場合、加齢による男性ホルモンの低下は緩やかであるため、これらの症状が男性ホルモン低下によるものとは気づきにくいのです。
男性更年期障害の症状
男性更年期障害の症状は、大きく3つに分けられます。
心の症状 |
疲労感、やる気が出ない、集中力低下、イライラ、不眠など |
からだの症状 |
頭重感、ふらつき、肩こり、腰痛、発汗、ほてり、筋肉痛、筋力低下など |
性機能に関する症状 |
性欲低下、勃起力低下など |
これらの症状は、40歳代以降の男性に特有の、職場・家庭でのストレス、身体的な衰え、ホルモンの加齢性低下などによって引き起こされるため、男性更年期障害と いわれています。 男性更年期障害の中でも、特に男性ホルモン(テストステロン)の加齢性低下によって引き起こされる症状をLOH症候群(加齢男性性腺機能低下症)といいます。
LOH症候群
(加齢男性性腺機能低下症)
LOH症候群の診断は、自覚症状と男性ホルモン値で行います。
自覚症状
自覚症状のチェックには、Heinemann’s Aging Males’ Symptoms’ rating scale(AMS質問票)が用いられてます。
いくつ当てはまるかチェックしてみましょう。
※クリックすると拡大表示します
男性ホルモン値
男性ホルモンの値は、フリーテストステロンで評価します。
フリーテストステロン11.8 pg/ml 以上が正常、8.5~11.8 pg/ml が境界域で、8.5 pg/ml未満を男性ホルモン低下と判定します。
フリーテストステロン8.5pg/ml未満では、テストステロン補充療法が第一選択となります。
LOH症候群と診断し、診治療方針を決定するためには、フリーテストステロンだけではなく、鑑別診断のために、性腺刺激ホルモン、甲状腺ホルモン、副腎皮質ホルモンなどのホルモンの検査や、栄養状態を評価するための血液検査が必要になります。
うつ病との鑑別も重要です。
また、前立腺がんがないか、事前にチェックする必要があります。