人は齢をとり、齢とともに老化が進みます。人が生き物である以上、老化は避けられない運命です。老化の主な原因は、細胞や遺伝子を錆びさせる酸化にあるといわれていますが、最近、細胞を焦げさせてAGEを沈着させる糖化も、老化に関係しているということが分かってきました。もともとからだにプログラムされている遺伝子や、ある回数を超えると分裂ができなくなるという遺伝子の性質も、老化の原因の一つです。
老化の原因として忘れてはならないもう一つ大切なもの、それはホルモンの低下です。
ホルモンとは、からだで作られる化学物質で、ごく少量ですが、血液を通って移動し、からだの各器官がスムーズに動くための情報を伝える働きをしています。
ホルモンは、人が生命を維持していくためになくてはならない物質であり、ホルモンがうまく働かないと、からだの機能を保つことができず、元気で長生きすることができなくなります。
よく知られているホルモンには、成長ホルモン、男性ホルモン、女性ホルモン、甲状腺ホルモン、副腎皮質ホルモン、アドレナリン、インスリンなどがあります。体内には約100種類のホルモンがあり、ホルモンは特定の器官から分泌され、それぞれのホルモンが作用する標的臓器(受容体)は決められています。
女性は、更年期になると、若い頃に比べてこころやからだの健康を保つことがむつかしくなり、からだのさまざまな機能の衰えが目立つようになり、老化のスピードが速まります。これは、加齢とともに女性ホルモンの分泌が減り、50歳頃になるとほとんど分泌されなくなってしまうからです。更年期障害は女性だけのものではありません。男性にも更年期障害があります。加齢によって減少するホルモンには、女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)、男性ホルモン(DHEA、テストステロン)、メラトニン、成長ホルモンなどがあり、これらのホルモンの低下は、老化を進行させる原因になります。
更年期障害を乗り切るには、ホルモンの低下や低下症状を防ぐ生活習慣、すなわち、睡眠、ストレス対策、食事、運動が大切です。そして、エストロゲン、プロゲステロン、DHEA、テストステロン、メラトニンなどのナチュラルホルモンを、正しい知識で正しく使用すれば、いつまでも若々しく元気な毎日を送ることができるでしょう。更年期障害を乗り切り、血管、骨、筋肉、脳の若さと健康を保ち、いつまでも若々しい人生を送りましょう。